宇宙船ポピュリズム号

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こんにちは、今井です。

本日はフィクションです。
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とうとう地球に住めなくなる日が
近づいてきた。

人類は宇宙船に乗って、
次の星を目指して旅立つことになる。

宇宙船に積む食料を何にするか?
今、議論の真っ最中だ。

非常食はとても不味いが、
その分、栄養価が高く、日持ちもする。

長い道のりを考えると、
どう考えても非常食が一番だ。

有識者会議では、
完全に意見が一致した。

「わたし、ケーキが良い」

とSNSで発信したのは10歳の子だった。

実は、選挙権が小学生からになり、
彼らの意見もそのまま意思決定に
ダイレクトにつながるのだ。

「ケーキ良い!!」
「コーラも!!」
「フライドポテト!!」

「でも、栄養価を考えたら・・・」

「非常食なんてマズいじゃん。
食べてられないよ」

若年層を支持母体にした政党が、
これらを政策に取り込んだ。

そして、、、

地球での最後の選挙を勝利した。

有識者会議の提言はひっくり返った。

「毎日ケーキ食べれるよ。
宇宙船、楽しみだね」

「宇宙船では、
ずっと遊んでいられるんだよね」

「前の大統領は、なんか偉そうで
気に食わなかったんだよね」

「オレも。理由はないけど、
なんとなく嫌い」

「すぐ次の星が見つかるんでしょ。
選挙の時に言ってたよ。
一番乗りして土地をゲットしようかな」

前大統領は、色の変わった海を窓から眺め、
後悔に浸っていた。

やはり選挙コンサルタントが言うとおり、
「パフェが毎日食べられる」という政策を
打ち出すべきだった。

もちろん実際には前言撤回し、
非常食を積み込むわけだが。

人間の理性は、西暦20万年を超えた今でも
あてにならないということか。

おしまい。

~宇宙船ポピュリズム号~

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