借金パラレルワールド

こんにちは、今井です。

 

本日はフィクションです。

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私、実は数千万円の借金があるんです。

父が残したものなんですけど。


今は、女手一つで一人娘を育てるために、
3つの仕事を掛け持ちしています。

学校に通わせないといけないので。


ええ、そうです。
夫とは、数年前に離婚しました。



他の人から見たら、大変だ、苦労だ、
不幸だ、と思うかもしれません。



でも、幸せなんです。

ありがたいなって思うんです。

心からそう思うんです。





実は、私はパラレルワールドから
やってきたんです。

いやいや本当です。

そんな顔をしないで聞いてくださいよ。




実は、あっちの世界では、
私はけっこう資産家だったんです。

父親の財産を受け継いでましてね。


ただね、不幸のどん底でした。


というのは、娘が事故で亡くなったんです。

突然でしたね。

もう、何年も泣いて過ごしました。




その時に水戸にある古臭いバーで
変わった人に出会ってね、
それでこっちに来たんですよ。

いや、ホントホント!



その人は見るからに怪しい雰囲気で、
占い師って風貌でした。

そうそう、女性です。
おばさんですよ。

「なんとかの母」みたいなのではなく、
怪しい占い師ですよ。

わざと神秘的な格好をしているような。


それでね、
その人が言うには、

「娘が生きている世界も選べる」

っていうんですよ。


最初はそりゃ疑いましたよ。
なに言ってんのこのオバサンって思いました。

でもね、娘が返ってくるなら、
何だっていいって思いました。



その人曰く、この世界は1つじゃないと。

いくつかのパラレルワールドがあると。


娘が生きているパラレルワールドも
いくつか存在するから、そっちを選ぶ
こともできるっていうわけです。


でも、移動できる確率の高いのは、
今の世界だけでした。

・資産家だけど娘がいない世界
・貧乏だけど娘が元気に生きている世界

どっちを選ぶ?

って、彼女に問われました。


もう、即答でした。

娘が生きていてくれたら、
私はそれだけで十分幸せだと。


それで、この世界に来たってわけです。


だからね、数千万円の借金なんて、
そんなに気にしないの。

自分が選んだしね。


毎日、目が覚めたら思うんです。

「ああ、娘が元気に生きている」
って。


ありがとう。ありがとう。

おばさんなんて言って申し訳ないけど、
本当にあのおばさんには感謝してるの。


娘が生きてくれている。
もう、私にはそれだけで十分。


借金はちょっと時間がかかるけど、
このまま働いてれば一応返せます。


毎日が貴重だから、大切に生きてます。
今日も一日元気で過ごせたことに感謝です。

贅沢はしないけど、無理な我慢もしません。


年に1回は娘と旅行にも行きます。
ちょくちょく遊びにも行きますよ。


借金がなくなったら幸せになるとか、
肩の荷が下りるとか、そんなことはない
ですからね。


「借金パラレルワールド」<おしまい>


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