U理論を分かりやすく解説:現場では7ステップのうち2ステップを使えればOKです(オットー・シャーマー)

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こんにちは、今井です。

 

今回のテーマは「U理論」です。

 

「U理論」と聞くと、なんだか難しく感じるかもしれません。「理論」という語感がそんな気持にさせるのかもしれませんね。

 

しかし、実際はとてもシンプルです。

 

U理論にはSTEPが7つありますが、その中でもポイントは実は2つだけです。

 

現場では、これさえ意識していれば、コミュニケーションやリーダーシップはうまくいきます。

 

今回は、この現場で使える「U理論」について、解説していきます。



長文を読むのが苦手な方は、YouTubeをご覧ください。





U理論とは?

 

「U理論」とはオットーシャーマンという人が提唱した、コミュニケーションやリーダーシップのフレームワークです。



U理論7つのステップは以下の通りです。

 

(ステップ1)ダウンローディング

 

(ステップ2)シーインング(観る)

 

(ステップ3)センシング(感じ取る)

 

(ステップ4)プレゼンシング

 

(ステップ5)クリスタライジング(結晶化する)

 

(ステップ6)プロトタイピング

 

(ステップ7)パフォーミング(実践する)




なんだか横文字ばかりで難しそうですよね。

これ、ぜんぶ理解しないといけないんでしょうか。。。

 

とりあえず、ざっくりとボクの理解でこの7つのステップを説明します。




(ステップ1)ダウンローディング

 

今までの知識や経験を現在の状況にも当てはめようとしている状態。

過去の知識をダウンロードしてきて、そのまま使おうとしているわけです。

 

「これもあの時と同じだろう」

「この人はこう考えてるんだろう」

「最近の若いやつはこれだ」

 

というレッテル貼りやジャッジがダウンローディングの状態です。

ステップ1というか、ステップ0と表現しても良いかもしれません。



(ステップ2)シーインング(観る)

 

ダウンローディングの状態から抜け出して、自分の解釈を一旦捨てて、あるがままに状況や相手を見るということです。

 

決めつけをやめて、ちゃんと相手の話を聞こうという態度です。



(ステップ3)センシング(感じ取る)

 

そうやって相手の話に耳を傾けていると、だんだんと相手の気持ちが分かってきて、共感できたりします。

 

ふと、相手の「辛かった」「悲しかった」「大変だった」という感情が自分の中でも再現できたりします。

 

その時が、センシングの状態だと思えばいいでしょう。



(ステップ4)プレゼンシング

 

相手や状況を深く理解すると、自分の中から自然に湧き上がって来るものがあります。

 

確固たる信念が浮かび上がってきたりもします。

 

チームとしては、結束が強くなり一体感が生まれます。

 

それがプレゼンシングの状態です。




(ステップ5)クリスタライジング(結晶化する)

 

自然と浮かび上がってきたものがビジョンになっていきます。

 

こうしたいという目標や、あるべき理想の姿がだんだんと目に見えるようになってきます。



(ステップ6)プロトタイピング

 

ビジョンを1つずつ行動に移し、試行錯誤していく段階です。



(ステップ7)パフォーミング(実践する)

 

どんどんと行動していき、チームとしてもパフォーマンスが高まっている段階です。





あなたは何のためにU理論を学ぶのか?

 

U理論には先述の通り7ステップがあるわけですが、これを馬鹿正直に全部覚える必要はありませんし、7ステップすべてを使いこなそうとする必要はありません。

 

そもそも忙しい現場で仕事をしている時に、客観的に「ああ、今は、7ステップのこのステップだな」と、俯瞰することはなかなかできないと思います。

 

ステップ1からステップ7までを、本を何冊もひたすら読んで頭に入れて、それでコミュニケーションが良くなるのか?それでリーダーシップが取れるのかというと、そんなことないでしょう。

 

現場で今まさにリーダーシップを取っている経営者や管理職や職場のリーダーが、U理論の本をじっくり読んで、「ステップ1がこうで、ステップ2がこうで」みたいな事を覚えても、あまり意味はないというのが実感です。



それに、U理論がそのように臨機応変に使われることを想定しているわけではないと思われます。

 

学校の先生や、教育の場でU理論を教えるとか、もしくは過去のコミュニケーションやリーダーシップの事例をまとめるという目的であれば7ステップに分類したほうが詳細が説明しやすいかもしれません。

 

7ステップに整理されてたり、「~理論」という名前がついていた方が学術的には信頼感がありますよね。

 

ただし、それが実際に現場で使えるかどうかというのとは違うわけです。

 

あなたは、U理論を学校の勉強のように暗記したいのでしょうか?U理論のテストが出たら満点が欲しいから学んでいるのでしょうか?

 

それとも、職場やサークルやさまざまなプロジェクトの人間関係を良くし、楽しく気持よく働いて、それによって理想の成果を手に入れたいのでしょうか?

 

もし、前者であれば、ここまででこの記事の役割は終わりです。U理論の本をたくさん購入して、読み込んで暗記してください。

 

もし、目的が後者であれば、このまま読み進めて下さい。



現場で使うためのU理論

 

さて、どうすれば現場でU理論が使えるかというと、U理論の7ステップのうち、2つのステップだけ意識するだけで十分です。

 

U理論7つのステップをもう一度復習するとこの7つでした。

 

(ステップ1)ダウンローディング

 

(ステップ2)シーインング(観る)

 

(ステップ3)センシング(感じ取る)

 

(ステップ4)プレゼンシング

 

(ステップ5)クリスタライジング(結晶化する)

 

(ステップ6)プロトタイピング

 

(ステップ7)パフォーミング(実践する)



実際に現場で使いこなそうと思ったら、この7つのステップのうち、2つ目の「シーイング」と3つ目の「センシング」の2つだけ意識していれば問題ありません。



これは一言で言うと、「ジャッジせずに聞きましょう」ということです。

ものすごくシンプルですよね。

 

「シーイング」というのは、相手の言っていることをありのままに聞くということです。

 

そして「センシング」というのは、相手の感じていることを自分も共感してみましょう、と言うことです。

 

この2つだけで十分です。

 

ジャッジするということを、U理論ではステップ1の「ダウンロードディング」と命名しています。違う表現で「ジャッジすること」表しているだけなので、特に新しいことを言っているわけではありません。

 

「ダウンローディングとは何だろう?」と理解するために、ことさら時間を使う必要はありません。

 

とにかく、ジャッジ(ダウンローディング)をやめて、ありのままに相手の表情を見て、言っていることを聞いて(Seeing)、相手の感情に共感することを心掛ける(Sensing)。ただ、これだけです。

 

「相手はこうに違いない」という決めつけをせずに、ただただ頭を真っ白にしてオープンマインドで相手の言ってることを聞いてあげるわけです。「ウンウン」と心からうなづいて、今ここに集中する。そして、相手の気持ちを感じるわけです。

 

意識して相手の言葉を聞いていると、ふと共感できる瞬間が現れます。

パッと、自分の中から感情が湧いてきます。

 

「そうか、こんな大変だったんだ」

「あ、こんな苦しかったんだとか」

「こんなにこれ頑張ろうとしてるんだ」

 

みたいな相手の気持ちが分かった瞬間、ガーンというショックとともに、相手との一体感が生まれます。

 

この感覚が持てると、相手と本当の意味でコミュニケーションが取れて親密になれますし、強いチームができたりするわけです。目には見えませんが、お互いに相手のことを信じられるようになります。

 

意識することはそれで十分です。

 

その状態が作れたら、その後の4番目から先のステップは、自然に進んで行きます。ステップ4、5、6、7と流れていきますので、現場ではあまりそこを意識する必要はないということです。



シーイングとセンシング。つまり相手の気持ちを感じ取ること。

 

この2つだけに集中していればいいと思います。



すでに出来ている部分があるかも?

 

さて、今までの説明を読んでいて、「聞いたことがある」と思った人も多いのではないでしょうか。

 

まったくその通りです。

 

例えば、コーチングを勉強してる人であれば、「傾聴」の練習をすると思います。

まったくそれと同じです。それが「シーイング」です。

 

また、ベストセラーの『7つの習慣』という書籍の中では、「理解してから理解される」という項目がありますが、それと言いたいことは同じです。

 

つまり、多くの自己啓発の本で書かれていることや、コミュニケーションの講座で言われていることを、7つのステップにして説明しているだけなのです。「U理論」と言っても、何か画期的に新しいことだと思わなくていいわけです。

 

とにかく「シーイング」と「センシング」だけ意識していれば良いと思います。

 

リーダーシップやコミュニケーションに悩んでいて、「U理論に関する本を3冊読まなければ!」と言って実際に本を読んだところで、問題が解決するかどうかは分かりません。

 

どうしても気になるのであれば、1冊買ってみて、「シーイング」と「センシング」のとこだけ読んで、現場で取り組んで実際にやってみていただければと思います。

 

実践してみると、すぐに効果があるのではないかと思います。

 

どんどん実践してください!